2014年8月21日木曜日

母の退院

二週間ばかり入院していた母がやっと明日、退院することになりました。

意識不明で救急搬送されたのですが、みどみど様んちのわんこと同じく、ステロイド系のお薬点滴で圧倒的な回復をみせてくれました。いやあ、あれは奇跡の薬ですなあ。


さあそうなると病院嫌いの母のことです。家に帰りたいと言い始めました。

いくら主治医や看護婦に帰りたいと言っても相手にしてくれません。そりゃあそうです。起き上がることもできなくて、達者なのは口だけなのですから。


「犬の世話があるので帰らないといけません」

「犬は息子さんが面倒みますよ」

私と同じ主治医ですから、ちゃんと分かっているのです。


「メダカも飼ってるんです。息子はメダカの世話はしません」

いろいろ言います。



一週間目からは新手の作戦に出たのです。

「私の息子は借金だらけなので入院費を払えないと思います。だから退院させてください」

もう病室にくる看護婦さん、主治医、誰かれ構わず言いまくるのです。


「病院だって営利企業だからこう言ったら追い出してくれる」というのです。もう!


もちろん誰も相手にしません。

でも家人は、「人聞きの悪いこと言わんとって!もう枕元に札束積んでやろうか!」と怒り心頭です。家人は金持ちなのです。私は今年初めに税務調査が入ってハコテンですが、借金はありません。確かに人聞きは悪いです。




そこで次はみんなにケンカを吹っかける作戦に出たのです。

給食の配膳係のおねいさんが、

「おいしかったですか?」

やさしく言ってくれても、

「まずい。これって原価は10円くらいよね」

でも完食しているのです。


看護婦さんにも言いたい放題です。

「ボロ病院!こんなところにいたら元気な人でも病気になる。仕事が増えていいね」


主治医には、

「センセ、良くなるように治すか、すぐに死ねるかどっちかにしてくださいよ。このままだったらオシッコが漏れるばっかりですよ」



私の母なのです。言いたいことを言わせたら天下一品です。私は笑っていますが、元教員の家人や元銀行員の妹などは、もう必死でまわりに平謝りばかりです。


そんな作戦が功を奏して、明日は退院(追い出されるのかも)となりました。



めでたいのやら困ったことなのか、もうどうでもよくなった今日このごろです。







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