2012年2月19日日曜日

Qちゃん、泣く


本日のお散歩隊は松野町に出撃です。

いつもの津島町に行ったのですが、トンネルを出たら雪国でした。今回の雪は思わぬところに積もっています。

我々が松野町で犬を入れる場所は決まっています。3方に別れて犬を入れます。すぐにQちゃん、MOMOちゃんがシカを追い出しました。Tさんと私の間を抜けます。S選手が待っている尾根に向かいます。

「行ったよぉ」と連絡するのですが、S選手、昨日から腰痛で医者通いです。尾根までたどり着いていませんでした。

そのまま2頭は尾根から追い落として、県道を渡って向かいの尾根まで追い上げます。残念、逃げられました。

その後、MOMOちゃんは戻ってきたのですが、Qちゃんが山の中で移動しません。

情けない声で泣いています。シカ対策のネットに引っかかったのでしょうか。電子機器を頼りに山を登ってみました。

驚くことにくくり罠にかかっています。驚く理由は林道からかなり上がった場所なのです。林業作業道はありますが、一般の罠猟師は見回りがたいへんなのでこんな場所には仕掛けません。

写真Qちゃんの前足にエスロンパイプがくっついています。この中にスプリングが押し込まれていています。ものすごい力でワイヤーを押しています。外そうとしてもひとりの力では外れません。Qちゃん、泣いています。我社の罠も含めて一般的にくくり罠は、緩み止め金具は付けますが、その上からギューキュー圧縮するのはいかがなものでしょう。

くくり罠を製作販売しているひとりとして、こんな罠は販売してはいけないとつくづく実感です。(我社の罠はこんなことにはなりません)

Tさんに応援を求めて、その間に写真を撮ります。

「そんなことしてないで、はやく助けてよぉ」 Qちゃんは泣いています。

よく仕掛けをみるとスプリングを取り外す蝶ネジが付いていました。ここを緩めてスプリングの圧縮を解除してQちゃん、やっと開放です。


地元猟師さんと会ったので、罠のことを話したら、その方の犬も今朝かかったのだそうです。

「あんな罠は引きちぎって捨てたらいいんじゃぁ」と怒ってらっしゃいます。4mmのワイヤーは引きち切れませんけど・・・

なんでもこの町では、なんとか公社という組織を役場が作って、何人かを雇用してお仕事で罠をかけているのだそうです。なるほど山奥にかかっているはずです。給料もらってのお仕事なら可能です。

でもぞっとするのは電子機器がない場合です。山中で犬がこの罠にかかっても救出するまでに相当の時間がかかります。もしなんとか公社の方が発見しても、怒り狂った犬の足からワイヤーを外すことは困難です。

地元猟師さんの怒りは、猟のことをなにもしらない素人を雇って、数だけむやみやたらとかけまくっていることのようです。急斜面にかける場合も多いようで、こうなると獲物はぶら下がってしまいます。獲物ならいいのですが、犬がこうなったら困ります。


そんな話しをしていると向かいの山から、お仲間の猟師さんがヒーヒー言いながらシカを引きずって下ってきました。そういえば先ほど銃声が2発聞こえました。

「撃った人の罰ゲームだからね」と隣で地元猟師さんが笑いながら言ってます。どこでも同じようなことを言うものです。



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